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住宅バブル崩壊?

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低金利と好景気を背景に、ここ数年アメリカでは住宅価格の高騰が激しく、各地で2桁の価格上昇など当たりという恐ろしい光景でした。アメリカでは住宅ローンの金利を税金控除することができるため、家を買うと言うことは税金の節約になるという事、また、日本以上にマイホームを持つということがあたりまえという風潮があり、住宅価格が高騰すると買い損ねるのでないかという心理が買いを誘うという悪循環で、この小都市サクラメント近郊の町でも3ベッドルーム、2バスルームの家は50万ドル(1ドル=115円換算で約5,800万円)は当たり前という、状況でした。我々がここに引っ越してきた2年前はちょうどその絶頂期。聞いた話では、家が売りに出たとたん、それこそ2-3日で売れてしまうため、選ぶ事もできずとりあえず見た家を買うというものだったようです。日本でバブルを経験した私たちは絶対これはバブルで崩壊するときが来ると思い、迷うこともなく一軒家を借りることにしました。それ以来、引っ越しこそしましたが、いまだに借家に住んでおります。そのもそも、東京で賃貸マンションに住んでいた私たちにとって、借りることはべつに恥ずかしいことでも、貧しいことでもないわけですが、アメリカでは家を持っていないと言うことは一人前ではないと思われ、どうも蔑まれる事のようです。

さて、この住宅ブームは本当にすごく、みんなどんどん大きな家に引っ越していくわ、新しい住宅街がぽこぽこできるわ、私たちも銀行に行くたびに、家を買えと言われるわ、それはそれはすざましいものがありました。それは、連邦準備委員会がじりじりと金利を上げる中も根強く続き、おこぼれをもらおうと猫も百姓も不動産ブローカーやローンオフィサーになり、住宅ブームで経済を煽るといった感じでした。

それが、去年の夏ぐらいから減速したかのように思われますが、それでもちまたでは、住宅の売れ行きが少し緩やかに減少するが、これはバブルではないと強気でした。ところが、ここになって明らかに家が売れなくなったのです。聞いたところでは去年のこの時期私が住むこの郊外の町で売りに出ていた家が75軒、それが今年は500軒以上だというのです。つまり、家を売りに出しても売れず、何ヶ月も売れない状態が続いているため、在庫が増えているという状態なのです。今まで家の価値が5年で倍増、なんていい思いをしている人たちを目にしてきた人たちは、この状況を受け止めることができないため、家の値段を下げることができず、下げしぶっている間にもっと市場価格がさがっていくということらしいです。その一方、平均住宅取得価格は去年よりも若干上がっているため、いまだにこの状況を良い方向に解釈する不動産業者もいます。基本的に住宅価格は高価格な家から値崩れします。ですので、それを買い時と思い、購入する高所得者がいる一方で、一般的な価格の家を普通の人たちが買い控えたため、平均値では価格が上がっているのではないかと思われます。

また、新築住宅も買い控える人、キャンセルする人が増えているため、キッチンのアップグレードをサービスしたり、車をプレゼントしたりと、お客の引き留めに躍起になっています。バブル後の日本のマンションで問題になりましたが、家の価格自体を下げてしまうと、すでに買った人たちからのキャンセルが出てしまうため、家の価格自体を下げることができず、おまけをつけることが多いのです。

サクラメントはもともと官庁街で、州政府で勤める人がほとんどですが、新聞で読みかじった情報では確か1/3の人が住宅関連の職業に就いていたかと思います。つまり、建築業、不動産業、ローン業、等々です。ですので、住宅産業が冷え込むと、サクラメント経済にも大きな影響があるため、これはかなり深刻な話です。しかも、サクラメントは全米でも10の指に入る、ここ数年でもっとも住宅価格が高騰した町なのです。ですので、当然のことながら、住宅価格の調整があるかと思われます。在庫の増え続ける我が町では、最近、大手企業のリストラなどということもあり、ますます売りに出る家が増える気配です。

私も再就職したのでそろそろ家を買おうかと思っていた我々ですが、またどこに住みたいかという根本的な事さえ決まられないでおり、しかしそう焦らなくても当分大丈夫かなと思っています。あわててHow to家の買い方・・の本などを読もうとしていましたが、すっかり最近は我々二人とも興味が薄れており、なんだかんだ言いながらも、当分気楽な借家住まいが続きそうです。
by meho-mama | 2006-07-24 15:10 | 生活
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